このように、数えきれないほどの多くの証人たちが、競技場の観覧席で私たちを見つめているのです。だから、うしろへ引き戻そうとする力や、まとわりつく罪をふり捨てて、神の用意された競争を忍耐をもって走り抜こうではありませんか。
-ヘブル人への手紙12章1節(リビング訳)
私のお気に入りのお話の一つは、水の尽きた深い井戸に落ちてしまったある農夫のロバのお話です。そのロバは何時間もかわいそうな声を上げて泣いていました。農夫は自分のかわいそうなロバのために何ができるかを考えていました。「そもそもこの井戸は深すぎるので、結局は穴を塞いでしまう必要がある。」「ロバももう高齢だし、この穴から引きずり出すのも相当難しいだろう。」そして、ついに、農夫がたどり着いた結論は、「ロバを取り戻すのはもう無理だ。だから近所の人たちを呼んで、井戸を塞いでしまって、ロバもそのまま埋めてしまおう。」
みんながシャベルを掴み、井戸の中に土を放り込み始めました。ロバはすぐに何が起きているのかを察し、ひどくいななき始めました。”泣き叫ぶ”ことは、私たちがこのようにひどい扱いを受けた時の普通の反応でしょう。このロバも、私たちが最初にとるような反応をしていたのですが、すると声を出さずにとても静かになりました。何度かシャベルで土を井戸に放り込んだ後、農夫は井戸を覗き込んで見ました。そこで目にした光景にとても驚いたのです。シャベルの土がロバの背中に落ちてくるたびに、ロバはそれをふり払い、その上に乗るのです。
農夫と近所の人がロバの上に土を放り込み続けると、ロバはそれに伴って、土をふり払い、またその上に乗るのです。そして、最後の土をふり払った後にその上に乗り、井戸から歩いて出てきたのです。私たちはこのお話から学ぶことができます。問題が来る時に、もし私たちが静かにして耳を傾けるなら、神様はするべきことを教えてくれます。神様の恵みと憐れみによって、私は今までの人生の多くのものをふり払うことができました。多くの心の傷、不当な扱い、たくさんの虐待、不正や不親切な対応などをふり払うことができたのです。あのロバのように、前に進み続けて、勝利を得るために、私たちの前に立ちはだかる問題をふり払うことを学ぶ必要があります。